IT業界とは全く違う他業種から、プログラミングスキルがないままIT業界に転職できるのか?という疑問に対して、答えはシンプル、未経験でも問題なく転職・就職できます。
今回は、IT未経験で入社し、2年目には開発をガリガリこなしている私の視点から、その理由を4つに分けて徹底解説していきます!
①プログラミングスキルは必須なのか?
結論として、プログラミングスキルは必ずしも必要ではありません。その理由は大きく2つあります。
理由①: 業務ごとに使用する言語が異なるから
プログラミング言語は、エンジニアや開発業務において多用されますが、10年以上同じ言語のみで開発を続けることは稀です。
そのため、転職時に特定の言語を学んでおくことは確かにプラスですが、それが直接評価されるかは運に左右されることもあります。
企業が求めているのは、その場で必要な技術を学び、実際に業務で使えるかどうか。あまりに特定の言語にこだわり過ぎるのは、逆に効率が悪いこともあります。
もし1つの言語を学んで武器にするなら、個人的にはJavaをお勧めします。
Javaは昔からメジャーな言語であり、運用保守の案件が多いです。未経験からJavaを学ぶなら、特化したサービスを利用するのが良いでしょう。
理由②:いきなりコードを書くことはないから
IT業界=コードを書く、というイメージが強いですが、未経験から転職したばかりでいきなりコーディングに入ることはほとんどありません。むしろ最初の業務は、コードを書くよりも「システムのテスト」を担当することが多いです。
テスト業務では、事前に準備されたテスト仕様書に従い、画面をスクショしたり、ログを確認してバグがないかをチェックします。日常的にインターネットを使っている感覚で業務を進めることができるので、最初は簡単そうに思えるかもしれませんが、意外と奥が深いです。
テストを行うには、まずその機能の仕様をしっかり理解し、手順に従って再現性のあるエビデンス(証拠)を収集する必要があります。また、テストをしながら、その業務で使われているプログラミング言語を読み解く機会もあります。業務を進めながら学習を積み重ねていくことが求められます。
以上の理由から、未経験でIT業界に転職する際、プログラミングスキルは必ずしも必要ではないと言えます。もちろん、スキルがあればアドバンテージになるのは間違いありません。
もし学ぶのであれば、プログラミングスクールに通い、しっかりと基礎を固めることをお勧めします。
②入社後に学習環境は整っているのか?
入社後の研修については、正直言って企業によってかなり差があります。しっかりとしたプログラミング言語の勉強会や研修プログラムを用意している企業もあれば、いきなり実務に放り込まれるケースもあります。
ただし、スキル不足のまま放置されて「自分でなんとかしろ!」と言われることはまずありません。
業務に取り組んでいる中でわからないことが出てきた場合、周囲の先輩や同僚に質問することがIT業界では当たり前です。むしろ、技術的なことに関して質問されることを歓迎する文化があると言えます。
IT業界の人々は、常に新しい技術に直面しており、「わからない」という状態を経験することが多いです。新しい言語や技術が次々と登場するため、誰もが常に学び続ける必要があります。そのため、「知らない」「わからない」という状況を理解し、サポートしようとする人が多いのです。
私自身も、入社当初は周りの人にたくさん質問していました。質問を繰り返していく中で、次第に自分で調べる方法や解決策を見つけるコツがつかめてくるはずです。最初から一人で全てを解決する必要はないはずです!
③自分の学んだ技術がどこまで、いつまで通用するのか?
学んだ技術がどれくらいの期間使えるのかは、業務によって異なります。
例えば、金融系では古くから使用されているCOBOLのような言語が、今でも現役で使われています。一方で、Web系の開発では、半年ごとに新しいアップデートが入り、書き方や技術が変わることがよくあります。
ただ、一つ確かなことは、学んだ技術は必ずどこかのタイミングで陳腐化するということです。もちろん、一生使える知識や技術も存在しますが、特にIT業界で「食っていくための知識」は常に新しいものを学び続ける必要があります。他の業界でも似たような傾向はありますが、IT業界ではそのスピードが特に速いです。
しかし、これは決してネガティブな話ではありません。最先端の技術を常に学び続けられるという点は、IT業界の大きな魅力でもあります。新しいトレンドをすぐに掴むことができ、未来の技術にいち早く触れることができるため、その学びの過程が楽しい瞬間も多くあります。IT業界で働いていると、常にワクワクしながら未来を追い続ける感覚を味わえるでしょう。
転職を成功させるために、「学び続ける姿勢を持つことが最も重要」といっても過言ではありません。IT業界は、知識が陳腐化しても、次の学びを通じて常に新しいスキルを身につけられる環境です。学びに対する情熱を持ち続けることが、長くIT業界で活躍する秘訣です。
④IT業界に適性があるかどうか?
多くの人が「IT業界に適性があるのか?」と考える際、恐らくエンジニアとしての適性について気にしているのだと思います。しかし、前提としてIT業界でコードを書かずに生きていくことは十分に可能です。
IT業界にも営業職や管理職といった、コードを全く書かない職種があります。営業職であっても、自社の技術を理解していながらも、プログラミング言語を知らないという人はたくさんいます。ですので、「どこかには必ず自分に合った適性がある」というのが正解です。
仮に、プログラミングにチャレンジして失敗したとしても、それで終わりではありません。プロジェクトを管理するプロジェクトマネージャー(PM)という道もあります。PMは技術的な知識は必要ですが、コードを書かずにプロジェクト全体を管理・進行する役割を担います。また、技術の進化が早いIT業界では、常に新しい職業が生まれるという特徴があります。
例えば、最近注目を集めているのは、生成AI(Generative AI)の発展です。この技術の進化に伴い、プロンプトエンジニアという職業が登場しました。プロンプトエンジニアは、AIに的確な指示を出すための指示文(プロンプト)を考えるエンジニアで、この職業は3年前には存在しませんでした。このように、IT業界では技術の変化とともに新たなキャリアの選択肢が広がっています。
現在は適性を感じなくても、興味を持って取り組むことで、IT業界で活躍する道は無限にあります。興味があればなんでもなれる、それがIT業界の強みです。
だからこそ、少しでも興味があるなら、ぜひIT業界にチャレンジしてほしいと思います!適性にこだわらず、まずは一歩踏み出してみましょう!!